物流

本を読者のお手元へ

日本全国の書店・コンビニエンスストアに向け、新刊書や既刊注文品、雑誌、コミックスなどを発送しています。

トーハンが首都圏に配置する複数の大型物流センターには、印刷・製本会社や出版社倉庫から、日々多量の出版物が搬入されます。センター内で配送店舗別に仕分け・梱包を行い、輸送会社へ引き渡し、計画的に配送されています。

また、全国の店舗から出版社への返品も、いったん取次の物流センターを経由します。雑誌の多くは再生紙としてリサイクルされ、書籍やコミックスなどは出版社別に仕分けて各社の倉庫へ返送されます。

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物流協業

トーハンは日本出版販売株式会社(日販)との間で2020年から雑誌返品業務の協業を開始しています。この背景には、1996年をピークに出版物の売上減少が続く一方、近年は日本全体の事象として物流コストが急上昇し、出版の流通効率が著しく低下している状況があります。

そのため、従来は取次各社で運用してきた物流センターの相互活用ないし統廃合を中心とした出版流通の合理化が求められるところとなり、トーハンは日本出版販売との間で物流協業を行なっています。

具体的には「雑誌返品処理業務」「書籍返品処理業務」「書籍新刊送品業務」の3業務について検討を進め、2020年11月からトーハンの雑誌返品処理業務は日販グループの出版共同流通蓮田センターにて実施されています。この他の業務についても、実現を目指して両社で協議を続けており、業界全体の流通作業の合理化・物流拠点集約による輸送エネルギーの効率化を目指しています。

物流協業

これからの出版流通

2007年に全面稼働したトーハン桶川センターは、注文品の流通拠点として進化を続けています。システム開発によりトレーサビリティを高めるとともに、センター内の在庫管理システムも更新を重ね、店頭の欠品を防ぎ多様な読者ニーズを満たせるよう、書店への顧客サービス向上を図っています。

2025年度中をめどに桶川センター内に書籍製造ラインを設置する計画について、大日本印刷株式会社との間で協議を進めています。少部数から書籍の製造が可能なデジタル印刷技術を活用して、読者の注文に応じた生産を実現し、読みたい本を読みたいときに入手できる環境づくりを推進しています。

また、複数の雑誌物流センターを再編し、2025年の完成を目指して埼玉県川口市に新センターの建設を進めています。書店・コンビニエンスストアに向けた雑誌発送拠点として整備を進め、将来的には雑誌以外の物流対応も視野に入れた設計を行なっています。

これからの出版流通

3PL事業の拡大

2023年10月に物流関係子会社を再編し、輸配送を行なう東販自動車と庫内作業などを行なうトーハンロジテックスを合併いたしました。合併後も引き続き出版物流の担い手として高効率・高品質な物流機能を提供しています。

さらに、長年にわたり蓄積してきた物流ノウハウやトーハングループの流通拠点を活用することで、3PL事業の一層の拡大も推進しています。

3PL事業の拡大